2026年9月28日
葬儀を学べる学校7選|葬儀業界の教育機関の種類と選び方

日本では高齢化が進み、亡くなる方の数は今後も増加すると見込まれています。こうした背景もあり、葬儀業の事業所数は増加傾向にあります。家族葬など新しい形式のサービスも広がり、業界そのものが変化・拡大を続けています。
こうした業界の広がりとともに、これから葬儀業界を目指す方の選択肢も増えています。専門学校や養成校で知識・技術を学んでから業界に入るのも、そうした選択肢の一つです。実務に必要な技術を、現場に出る前に体系立てて身につけられるのが、学校で学ぶことの意味だといえます。
ただし、葬儀業界の仕事に資格は必須ではなく、未経験のまま応募して入社後の研修で身につけていく方も少なくありません。学校に通うことだけが、この業界への唯一の入り口というわけではないという点は、押さえておきたいところです。
この記事では、実際に葬祭業界に関わる知識・技術を学べる学校を、カリキュラムや学費、就職支援まで踏み込んで比較します。
葬祭教育機関が広がってきた背景
葬祭の仕事は、これまで現場での叩き上げで技術を身につけていくのが通例とされてきました。一方で、人生の最期という一度きりの場に携わる仕事だからこそ、現場経験だけに頼るのではなく、事前に体系立てて学べる教育の場が必要だという考え方も広がってきています。こうした考え方が、学校という形になって表れてきた流れがあります。
背景には、高齢化が進み葬儀の形も多様化する中で、故人やご遺族の想いに寄り添える専門性が、これまで以上に求められるようになっているという社会情勢もあります。あわせて、映画やメディアで葬儀業界の仕事が取り上げられたことをきっかけに、葬祭関連の職業への理解や関心が社会的に広がったことも、こうした教育機関が受け入れられる土壌になったといえます。
葬儀を学べる学校7選
日本ヒューマンセレモニー専門学校(フューネラル学科)
葬祭ディレクター技能審査協会の認定教育機関で、在学中に技能審査2級を受験できます。
- 期間:2年
- 定員:25名
- 学費:1年次135万円(入学金15万+授業料75万+施設費20万+別途費用25万)、2年次116万円(授業料75万+施設費20万+別途費用21万)で2年間合計約251万円
- 入試方式:AO入試(面談のみ、検定料無料)、一般入学(作文・面接、検定料0円)
- 学ぶ内容:葬儀概論、施行技法、メイク、グリーフサポートなど葬祭ディレクターとして必要な知識・技術。在学中に模擬葬儀を複数回経験するほか、葬祭関連企業でのインターンシップも組み込まれています
- 資格:国の認定がある葬祭ディレクター技能審査2級を在学中に受験可能
- 就職支援:面接対策・エントリーシート添削など個別対応が中心
日本ヒューマンセレモニー専門学校(エンバーミング学科)
同じ学校のもう一つの学科ですが、学ぶ内容はフューネラル学科とは大きく異なります。
- 期間:2年
- 定員:25名
- 学費:1年次151万円(入学金15万+授業料85万+施設費20万+校外実習費10万+別途費用21万)、2年次126万円(授業料85万+施設費20万+校外実習費10万+別途費用11万)で2年間合計約277万円
- 入試方式:一般入学。一般常識・作文・面接(検定料3万円)
- 学ぶ内容:遺体の防腐・修復処置(エンバーミング)が中心。解剖学や微生物学といった医療寄りの基礎知識も学びます
- 資格:一般社団法人日本遺体衛生保全協会(IFSA)が認定するエンバーマー資格の受験資格を取得
- 就職実績:就業実績として20社以上の企業名を公式サイトで公開
エンバーミングは、同じ葬祭系の職種の中でも医療知識が問われる点は他の学科とは大きく異なる部分です。
専門学校大阪ホスピタリティ・アカデミー
葬祭ディレクター技能審査協会が定める教育条件を満たした、西日本で唯一の認定校です(学校側の発表)。学科内に葬祭ディレクターコース(葬祭全般を学ぶ)とメモリアルフラワーコース(仏式・神式・キリスト教式の装花を学ぶ)があります。
- 期間:2年
- 定員:20名(葬祭ディレクター・メモリアルフラワー合計)
- 学費:2年間合計で、葬祭ディレクターコース約310万円、メモリアルフラワーコース約337万円(教材費・研修費込み、コースにより異なる)
- 入試方式:AO入学(エントリー時の面接選考)、推薦入学、一般入学(書類選考)
- 学ぶ内容(葬祭ディレクターコース):葬祭マナー、遺族心理学、宗教学、納棺実習など葬祭全般の知識・技術。2週間のインターンシップも含む
- 学ぶ内容(メモリアルフラワーコース):仏式・神式・キリスト教式の装花を中心としたフラワー技能
- 資格:在学中に葬祭ディレクター技能審査2級の受験対策までカバー。2025年卒業生の合格率は100%(学校側の発表)
東京ホスピタリティ・アカデミー
専門学校大阪ホスピタリティ・アカデミーと同じ学校法人21世紀アカデメイアが運営する姉妹校です。
- 期間:2年
- 定員:25名
- 学費:2年間合計で約307万円
- 入試方式:AO入学(面接でアドミッションポリシーへの適合を評価)、推薦入学(学校推薦・自己推薦)、一般入学
- 学ぶ内容:葬祭ディレクターとして必要な知識・技術全般。葬儀社での2か月間のインターンシップに加え、海外留学制度もあり
- 資格:在学中に葬祭ディレクター技能審査2級の受験対策をカバー。卒業生の合格率は100%(学校側の発表)
- 就職実績:具体的な内定先企業名を公式サイトで公開
国際ホテル・ブライダル専門学校(wish)
新潟県にある学校で、葬祭ディレクター科があります。
- 期間:2年
- 定員:10名
- 学費:1年次納入金121万円、2年次納入金114万円で2年間合計235万円(テキスト・検定・実習費等は別途)
- 入試方式:AO特待生入試(書類選考・面接)、AO一般入試(書類選考)、指定校推薦(評定平均3.2以上、書類選考)、一般入試(書類選考・面接、事前にオープンキャンパス参加が条件)
- 学ぶ内容:葬祭ディレクターとして必要な知識・技術。実習設備や提携施設を使った実践的なカリキュラム
- 資格:葬祭ディレクター技能審査の受験対策を含む
新潟県内でこの分野を専門的に学べる学校として、地域の選択肢の一つになっています。
九州SOGI専門学校
湯灌納棺師の育成に特化した学校で、「デュアルシステム」と呼ばれる仕組みが最大の特徴です。
- 期間:1年
- 定員:5名
- 学費:1年間合計132万円(校納金100万円+入学金30万円+入学選考料2万円)
- 入試方式:推薦入試(評定平均3.5以上)、一般入試とも面接・作文・書類審査。入学資格は高校卒業(見込み)だけでなく大学・短大・専門学校卒業(見込み)も対象だが、いずれも33歳以下(卒業時34歳以下)が条件
- 学ぶ内容:湯灌・納棺の実務技術が中心。座学と企業実習を行き来する「デュアルシステム」方式で、実習は年間授業時間のおよそ半分を占め、報酬も出るとされています
- 資格:特定の資格取得は前提とせず、湯灌納棺師としての実務スキル習得が中心
- 就職実績:就職率100%(学校側の発表)
他校のインターンシップが数週間〜2か月程度であるのと比べると、実務経験の比重が大きいのがこの学校の特徴です。
おくりびとアカデミー
この葬祭キャリアサポートを運営しているのが、おくりびとアカデミーです。東京都中央区築地に校舎を構える、納棺師を目指す方向けの学校です。他の学科は持たず、実技と座学の両方を組み合わせてカリキュラムを組んでいるのが特徴で、現役の納棺師・エンバーマーが講師として指導にあたっています。2026年2月公開の映画『ほどなく、お別れです』では葬儀監修を担当しました。
- 期間:6ヶ月
- 定員:18名
- 学費:132万円
- 入試方式:面接
- 学ぶ内容:お着せ替え、メイク基礎、納棺実技、納棺士概論、葬祭知識、シャワー湯灌、特殊処置など。座学と実技を併せて学べるのが特徴です
- 資格:修了時に一般社団法人日本納棺士技能協会(JNO)の認定を受けた納棺士として名乗ることができます
- 就職支援:在学中に提携先企業との合同説明会を開催しています
卒業生からは「全国から集まるので、貴重な出会いがあり、楽しい半年間でした」「半年間という短い期間で、技術や知識を身につけられたことに感謝しております」といった声が寄せられています。現場で働くプロの指導のもと、半年という比較的短い期間で納棺師に必要な基礎を身につけることができます。

学校選びで見ておきたいポイント
- 定員と入試方式(推薦・AO・一般など、応募のタイミングや条件が学校ごとに異なる)
- 実習・インターンシップの時間や内容、報酬の有無
- どんな資格を受験・取得することができるか
- 就職支援の手厚さ
- 学費の総額と、分割払いなどの支払い方法
就職率・合格率として挙げた数字は、いずれも各校が自ら公表している数値です。
まとめ
学校選びに正解はありません。葬儀に関する知識や技術を早く身につけたいのか、時間をかけてじっくり学びたいのか、何を優先するかで、合う学校は変わってきます。
期間は6ヶ月から2年、学費は130万円台から330万円台まで、取得できる資格もさまざまです。同じ葬祭を学べる学校という括りでも、中身はここまで違うということは、知っておいて損はありません。
期間・学費・実習内容・就職支援は学校ごとに差が大きいので、この記事で気になった学校が見つかったら、まずは資料請求やオープンキャンパスで実際の中身を確認することから始めてみてください。現場の空気や在校生の様子まで見ておくと、入学後のイメージもつかみやすくなりそうです。
※本記事の学校情報は、2026年9月時点で独自に調査した内容です。定員・学費・入試方式等は年度により変更される場合があるため、最新の情報は各校の公式サイトでご確認ください。
